快眠コラム

つい削ってしまう「睡眠時間」をつくる方法とは!? 自分に合った理想の睡眠時間を確保しよう!

つい削ってしまう「睡眠時間」をつくる方法とは!? 自分に合った理想の睡眠時間を確保しよう!

日本人の睡眠時間はワースト1位

心身の健康を維持するためには、「日々、適切な睡眠時間をきちんととれていることが基本条件になる」と、これまでの多くの研究でわかっています。例えば、イギリスの非営利研究機関「ランド・ヨーロッパ」の研究では、1日の平均睡眠時間が6時間を下回る人は、睡眠時間が7~9 時間の人と比較して死亡率が13%増加すると明らかになっているのです。もっと身近なところでは、1日の睡眠時間が6時間以下の場合、7時間以上眠っている人 に比べて風邪をひくリスクが約4倍高くなるという研究報告もあります。しかし、日本人の睡眠時間はOECDの中で最も短く、ワースト1位です。睡眠時間を削ることは、心身の健康、生産性、能力など、あらゆる「損失」につながることであり、日常生活にも大きな弊害をもたらすため、どんな理由であったとしても賢い選択とは到底言えません。

理想の睡眠時間を
つくるための具体策 ①

まずは7時間程度の
睡眠時間の確保を目指す

そのためには睡眠時間から逆算して日中のタイムスケジューリングを行いましょう。時間の確保が難しいと感じる場合は、生活の中で「なんとなく」過ごしている無駄な時間を極力排除することです。

睡眠時間7時間

理想の睡眠時間を
つくるための具体策 ②

無駄時間の排除に有効なのが、
「やらないことリスト」の作成。

例えば、「入浴後からはスマホを見ない」や「22時以降の仕事」、「気乗りしない飲み会に行かない」など、決めておかないとついついやってしまいがちな習慣を意識することです。「やらないこと」を決めることで、それまで無駄に過ごしていた時間を有効に活用することができるようになります。

チェックリストを作成

理想の睡眠時間を
つくるための具体策 ③

1日の終わりに何にどのくらい時間を使ったかを把握するための
「行動表」を作成。

これは、「忙しくて時間がない」と感じる人ほど有効です。内容は詳細に書く必要はなく、大まかで構いません。自分が何にどれだけの時間を費やしているのかを客観的に理解することが、無駄な時間を減らし有益な時間を増やすための最初の手段として、とても有効なのです。「無意識だったがテレビやインターネットを見ている時間が多すぎた」「だらだら長電話をし過ぎていた」など、行動を見直すことで時間の無駄がみえてきます。

理想の睡眠時間を
つくるための具体策 ④

空いた時間は心身のリラックスにつながる新習慣を取り入れてみる。

例えば、体がリラックスできるようなストレッチや、読書、ぬりえ、編み物など光の刺激を受けずに楽しめる趣味などがあります。これらはおやすみ支度にもつながる行動なので、習慣づけて行うことでスムーズに心身が休息モードに変わりやすくなり、質の高い睡眠が確保しやすくなるでしょう。

1日の時間は限られているので、無駄に時間を費やさないよう「やらないこと」を決めて、「良い習慣」をもつことを心がけてください。心身の健康のために、日中の生産性アップのためにも「睡眠時間」を意識的につくっていきましょう。

睡眠時間を意識的につくっていきましょう

執筆者
友野 なお さん

睡眠コンサルタント
産業心理カウンセラー

友野 なお さん

経 歴

  • 株式会社SEA Trinity 代表取締役
  • 千葉大学大学院
    医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程
  • 順天堂大学大学院
    スポーツ健康科学研究科 修士
  • 日本公衆衛生学会 / 日本睡眠学会 /
    日本睡眠環境学会  正会員
「社会予防医学」「社会疫学」のフィールドにおける睡眠を研究し、健康寿命の延伸、健康格差の縮小を目指す。自身が睡眠を改善したことにより、15㎏以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から科学的に睡眠を学んだのち、睡眠の専門家として全国にリバウンドしない快眠メソッドを伝授。 健康理念として「睡眠」「食事」「運動」を三位一体と考え、長年レシピ開発に携わり、ヨガのインストラクターの資格も保有。