快眠コラム

枕が合わないとなぜ肩こりになるの?あなたの枕は大丈夫?

普段は何ともないのに、出張や旅行先でいつもと違う枕で寝たら、急に肩こりを感じたことのある人は意外と多いのではないでしょうか。慣れない枕で寝違えて首や肩に痛みを感じることもあるかと思いますが、枕が合わないことが原因の場合もあります。ここでは枕が原因で肩こりになる理由について解説していきます。

 

そもそも肩こりになる原因とは?

まず、最初にどうして首や肩こりになってしまうのか、根本的なメカニズムについて説明していきましょう。
頸椎・脊椎の周りには、大きな広背筋や僧帽筋のほかに棘下筋、肩甲挙筋などたくさんの筋肉が重なって支え合っています。日常生活の中でこれらの筋肉の緊張が続くと、疲労物質がたまって硬くなり、それが原因で血液や体液の循環を悪くしたり、さらには末梢神経を傷つけてしまうこともあります。この筋肉の中で起きている現象が、肩や首のこりや痛みの原因なのです。つまり、日常生活の活動で首や肩周辺の筋肉が疲労・硬直し、それが睡眠時に解消されないことが朝の首や肩こりの原因といえるでしょう。すなわち枕には寝ている間に肩や首の疲れを休める機能が求められています。

肩こりになりやすい枕の特徴

では、肩こりの原因となりやすいのは、どのようなタイプの枕でしょうか。基本的に体格や寝姿勢にあった枕選びが重要です。枕が合わないと以下に紹介する不具合の原因となりますので、注意しましょう。

 

・高すぎる枕

枕が高すぎると寝姿勢が不自然で、首や肩の筋肉が硬直状態でこわばってしまいます。不自然な姿勢を保つために常に力が入った状態が続いてしまうので、血液の流れも悪くなってしまうでしょう。その結果、起床したときに首や肩に痛みを感じることになります。さらに枕が高すぎると首が圧迫され、気道が狭くなっていびきをかいたり、首にシワができる原因になるともいわれています。

 

・低すぎる枕

枕が低すぎても肩こりや首こりの原因になります。
首に枕がフィットしにくくなるので、敷き布団と首、枕と首との間に隙間ができやすくなりま す。
隙間ができるということは首や肩を支えるものがない状態が続き、首と肩の筋肉がこわばり、頸椎を痛めてしまうこともあるのです。

 

・硬すぎる枕

日本の枕は伝統的な流れから硬い枕が多くみられます。
大昔の枕はなんと石でできた枕もありました。現代でもそば殻や、ウッドチップなど硬めの素材が枕には使われています。
これらの素材には、頭を冷やしたり、睡眠に適したリラックスする香りなどの利点がある反面、枕の表面が硬くなり、首から背骨までの頸椎のカーブにフィットしにくく、睡眠時に首や肩にストレスを与えることがあります。

 

・柔らかすぎる枕

反対に柔らかすぎる枕も肩や首に対してはネックです。
ダウン混合率の高い羽毛や、わた素材、また密度が低いウレタン素材などは比較的柔らかい枕です。
柔らかい枕は頭を置いたときに、その重さを支えることができず、枕がつぶれてしまいます。また、頸椎の自然なカーブが維持できないので、首や肩への違和感の原因となることがあります。

 

・横幅が狭すぎる枕

小さい枕は、高さとは無関係なので首や肩に直接負担がかかることはありません
しかし、枕の幅が狭いことで寝返りがしにくくなり肩こりの原因となることがあります。
寝ている間も同じ姿勢でいると体全体が疲れてしまいますので、人は睡眠中に無意識のうちに寝返りを繰り返し、体の位置や姿勢を調整しています。
また、枕の幅が狭いと寝返りする時に枕から頭が落ちて中途覚醒や寝違えの原因にもなるかもしれません。
枕の幅は肩幅の1.5倍くらいがゆったりと寝返りをうてて落ち着いて眠れるおすすめの枕幅です。

 

・頭をしっかり固定する枕

枕の形状が頭の形に型取られている枕がありますが、このタイプの枕は頭の形と合っていないと不自然な姿勢で寝ることになるので注意してください。 固定枕は枕から頭が落ちにくい構造で作られていますが、その反面頭がしっかり枕に固定されてしまうので寝返りしにくくなってしまうのです。

まとめ

ここでは、自分に合わない枕によって引き起こされる肩や首こりの原因についてご紹介してきました。
今使っている枕がどのようなタイプにあてはまるかチェックしてみてください。
肩こりはなくても、「朝目が覚めた時に体が重い」「眠りが浅く夜中に目が覚める」などといった不具合がある人も、もしかしたら枕が合っていないからかもしれません。
そんなときは一度枕を見直してみてはいかがでしょうか。